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テヘランでのデモ

言うまでもなく、中東での大衆行動に関心が集まっている。

この問題は、中東以外の国々の体制への影響にとどまらず、我が国においても油価等を通じた様々な影響がありえる大きな問題である。かりに、我が国が約1割の石油輸入を依存し、世界の石油産出量の5%以上を生産するイランに飛び火する場合には、石油の1.1%しかスエズを通らないエジプトのインパクトよりも、はるかに大きなものになることが予測される。

昨日のテヘランにおけるデモは、ムーサヴィ並びにキャルービといった一昨年の大統領選後の大衆行動の主役たちが関与して組織的に呼びかけられたものと言われ、事前に多くのサイトやメール等で熱く取り上げられた。昨日の朝には、在日イラン人をお呼びし、議員有志でもその思いを拝聴した。またこのようなデモが成功するとすれば、他の国と違って、最初から受け皿が用意されたものとして、新しいパターンが見えてくることになろう。

熱い思いを抱く方々が、百万人集めると豪語したデモは数千人にとどまった。この背景としては、すでにデモが展開している国の状況を見て、多くの中東の国々がデモに備えを打ち始めていることが挙げられると思う。呼びかけを行うサイトを閉鎖して、ディスインフォメーションを流す、都市に流入する人々を制限し、デモ隊の中に私服の政府支援者を潜入させて中から疑心暗鬼にさせ参加を逡巡させる、強固な手段を示しておく、等々である。それは、タイのアビシット派によるタクシン派デモ制圧の手法に似ていると言えるのかもしれない。

このような準備は、自国は関係ないと踏んでいたであろうバハレーンおよびすでにデモが拡大しているアルジェリア、イエメン、ヨルダン等を除き、一定の効果を上げ始めているのかもしれない。更なるモメンタムが中東にもたらされない限り、もしかすると、大衆行動を行う側にとっては更なるハードルができたと言えるかもしれない。

その意味では、限定的に終わったと言えるにもかかわらず、その最中に死者が出てしまったのは、イラン当局にとっては痛手であったのかもしれない。新たなイランの展開に今少し注目する必要があるようだ。

平成23年2月16日記

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