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イラク連邦議会選挙 投票率から考える

報道によれば、イラクの今次選挙の投票率が出、62.4%となったようです。これは前回の連邦議会選挙の76%よりも下がっていますが、その背景には、資格審査の結果を不服としたスンニー派系政党のボイコットを受けて、スンニー派の多い県で投票率が下がったことを反映しているようです。

この限りでいえば、比較すべきは前回(200512月)の連邦議会選挙ではなく、20051月の暫定議会選挙かもしれません。今回の投票率は、2つの県で50%を割り込んだようですが、60.49%を記録した暫定議会選挙の際には、3つの県で50%を割り込みました。暫定議会選挙の際、サラーフッディーン県およびバグダード特別市の投票率は、それぞれ29%および46%でしが、今回の選挙では73%および53%に上がっています。これは、かつてボイコットしたスンニー派住民が、今回は必ずしも全面的にボイコットに協力したわけではないことを示しているようです。

8日、開票に関与しているライス・アル=マーリキー・タムーズ機構局長が述べたところによれば、マーリキー首相率いる法治連合が優勢でバグダードの多くの選挙区、バスラ県、バーベル県、カルバラー県、ワーシト県およびナジャフ県というシーア住民が多い地域で過半数の得票を得ているそうです。また、第二位はシーア派色の強いイラク国民同盟で、三番目にはアラーウィ元首相率いる世俗系のイラキーヤがつけている由です。他の報道によれば、イラキーヤが健闘し、クルド政党を凌駕しているようです。イラキーヤは、ボイコットしたスンニー派政党が得るはずの支持者票を獲得したことに加え、以前よりも世俗主義の主張が多くの人々にアピールしているようです。イラクの2005年暫定国会選挙および同年末の連邦議会選挙を比較すると、バグダードやバスラといった浮動票が多いはずの大都市で世俗政党が後退しており、宗教政党優勢の傾向が続いていたようですが、その傾向に一定の歯止めがかかったのかもしれません。

現時点ではどの政党が勝ったとしても単独過半数は想定しにくいようです。しかし、もしも法治連合が過半数に遠い得票数しか得られずに第一党になると、以前からうわさされていたイラク国民同盟との連立があるのかもしれません。逆に、過半数近くにまで行くと、大党連立もしくは少数政党との連立の可能性が高くなるのかもしれません。いずれにせよ、過去においてはあまり重要ではなかった世俗系政党がキャスティングボードを握る可能性も出てきたのは新たな現象です。

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