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敗戦

北イラクに向かったはずの小生は、いろいろトラブルがあり、まだダマスカスで、本日、再度イラク行きをチャレンジします。

さて、ガザで停戦が成立しました。

イスラエルによる一方的停戦は、内政により戦争を行うのが常のイスラエルの総選挙をにらんだものと考えられます。もしかすると、国際的批判にもかかわらず国内世論の戦争支持の高まりを受けて、当初の予定よりも戦争は長引いたのかもしれません。

いずれにせよ、一方的停戦により、国際社会の批判をかわし、死に体化したブッシュ政権の下で圧力をかわし、オバマ就任時に「イスラエルの戦争を支持するか否か」という切羽詰まった質問に直面させず、与党にとり有利な状況を作り上げるという意図は達成され、また、この後でハマースによる攻撃が深刻化すれば、停戦を宣言したイスラエルの側に正義はあるという環境は整えられました。

ハマース側のダメージはひどいようで、シリアの新聞を見る限りでは、1週間以内のイスラエル軍のガザ地区からの撤退および人道物資受け入れのための国境開放を条件に停戦を受け入れるようです。前者は、選挙をにらんで派遣部隊に死者を出したくないイスラエル側が考えているラインに合致し、後者は、エジプトとの協議により達成できることですから(すでに昨日から協議を開始)、当初、完全撤退、国境開放、制裁解除を停戦の条件としていたハマースがより現実的な条件を示したと考えることができる、つまり現時点では停戦に前向きと考えることができると思われます。

さて、この戦争、どちらが勝ったのか。当然、イスラエルは、「目標以上のものと達成した」との立場を変更しないと思いますし、ハマース側は圧倒的な勢力差のあるイスラエル軍を前に、生き残ったことこそ勝利で、また人道の勝利も叫ぶことでしょう。おそらく、ここでは明白な敗者は存在しないと思います。

ただし、アラブ諸国は敗者だと思います。湾岸戦争以来の米国の一極支配の下でのアラブの混乱は、現在でも同じ状況で、ドーハの首脳会議からサウジやエジプトが抜けたばかりか、レバノンまで出席しませんでした。エジプトに関しては、国境封鎖の当事者であり続けたのです。アラブの分裂は今回も深刻でした。また、それに対する民衆の不満がどこに向かうかは危険なようにも思われます。エジプトをはじめとする国々の今後にさらに留意すべきでしょう。

さて、敗者といえば、写真の御仁、「戦争の大統領になりたい」といった方ですが、シリアの新聞では「約束された夜明けまであと2日」、「あと1日」、と期待と共にカウントダウンが始まっています。

Bush

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