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ハマースの勝利?!

ダマスカス空港に向かう途中、飛行機に送れるかをひやひやしながら、イスラーム抵抗運動(ハマース)の事務所に立ち寄り、アブー・マルズーク政治局員に会ってきました。

アラブの諸紙では、ハマースの勝利を喧伝する記事も目立ちますが、アブー・マルズークもユニークな視点からハマースの勝利を強調していました。

彼によれば、第一に、イスラエルはガザ侵攻の目的を達成できなかった由で、その目的とは、(1)ファタハへの支持とハマースからの離反促進、(2)ガザ再占領、(3)2月10日のイスラエル総選挙における与党の支持獲得、(4)ハマースの武装解除としていました。しかしながら、彼によれば内政上の支持獲得を含めてイスラエルはその目的を達成できず、停戦直前までミサイル発射を停止できず、密輸も停止できなかったのであり、イスラエルの敗戦はつまり、ハマースの勝利を意味するとのことでした。

第二に、極めて疑わしい主張ながら、戦闘においてもハマースは勝利をおさめた由でした。彼によれば、ハマース側の被害48名に対しイスラエル兵は80名死亡しており、イスラエルは戦線を収拾できずに米国経由で停戦を模索したとのことでした。

最後に、ハマースは国際的な支持を勝ち取ったと強調していました(この点については、小生も同意見です)。国際社会はガザ侵攻を契機に人道的観点から対イスラエル批判を強め、欧州諸国は即時停戦に動きました。また、彼によれば、2か月前にアラブ諸国はファタハ支持でまとまっていたのに、今回の戦闘を契機にシリア、スーダン、カタール、アルジェリア等がハマース支持を打ち出し、西側諸国もこれを機会にハマースと公式に接触するようになったとのことです。

小生は「アラブの統一」が成し遂げられずに、アラブ諸国はまた失望感を味わったのではないかと質問したのですが、アブー・マルズークによれば、ファタハ支持でまとまっていたアラブ世界にくさびを打ち込み、分断をもたらしたのはすなわち、ハマースの勝利であるとのことでした。

彼によれば、ハマースは抵抗を通じて勝利を得た由ですが、パレスチナ人の命と引き換えに、イスラエル与党が選挙の票を得、ハマースが支持を伸張させたとすれば、それは勝利なのか、はなはだ疑問です。

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