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北イラクにて

やっとの思いで、今日の朝、イラクのクルド自治区の首都エルビールに到着しました。北イラクに来るのは19年ぶりで、町が大きく発展し、ものもあふれているのには驚かされています。かつてはシタデルを中心にこじんまりとまとまっていた町は、外側に大きく膨れ上がっていました。

Qaraa_2 イラクの中でも最も安定している地域の一つであるエルビールの治安状況に目に見える不安はなく、警備状況も手薄で、これでいいのかなと思わされるほどでした(と言っても、イラクへの旅行をお勧めしているわけではなく、旅行の検討に際しては、外務省の渡航情報等を参照してください)。 ちょうどこの町で、オバマの就任式典を迎え、アラブ風のお茶屋で式典の様子を眺め、お茶屋の人々にいろいろ聞きまわったのですが、さすがに親米的で、他のイラクの諸都市をよそに「わが世の春」を謳歌するクルド地区の人々、ほかの多くの中東諸国とは異なる反応を示しており、興味深かったです。 ブッシュがいなくなることへの感想を問うと、「サッダームを倒したのだから、誰が何と言おうと、ブッシュは正しかErbiljadid ったんだ」、「ブッシュの対イラク政策は間違っていたが、対クルド政策については大正解であった」等の答えが多かったように思われました。

オバマ新大統領に対しては、ブッシュ時代よりも良くなると考えている人が多いようですが、その根拠はあやふや得、どちらかというと印象にすぎないという感じを受けましたが、理由としては、「新しい波を作り上げている」、「戦争の大統領であるブッシュから、平和の大統領になるんだ」等の意見がありました。 これに対して、若い新聞記者を名乗る人物は、「そもそもサッダームも対イラン戦争等で米国の手先にすぎなかった。米国は自国の利益で動いており、ブッシュはやはり悪い」と述べ、お茶屋の中のクルド人の間で言い合いになっていました。

また、オバマ新大統領が就任演説でイラクやアフガニスタン問題に触れながら、ガザ情勢に言及しなかったことについては、「まだ新しい大統領なのだから、今後の政策を見る」等の意見が多数派でした。 そもそも、クルド地区はアラブや中東・イスラーム諸国との延滞意識が希薄なところで、想像通り、ガザに対する関心は極めて低く、中東でも珍しい地域です。町中でも、ほかの中東・イスラーム諸国にあふれているガザとの連帯を求め、支援を促すような掲示は一切見られませんでした。

こんな中東が存在するのもまた、現実です。

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