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占領地の花嫁

シリアにはまだ戦争が生々しく存在している。

Shammal_2 たとえば、シリア南西部に位置するイスラエルに占領された町、マジュダル・シャムス。ゴラン高原にあるこの町は67年の第三次中東戦争によりイスラエル軍に占領され、81年にはイスラエルの「北部郡」に組み込まれたままにある。最初の写真のように、シリア側施設の眼と鼻の先にあり、その間には地雷原と国連兵力引き離し部隊(UNDOF)が展開している。ちなみに、陸上自衛隊のゴラン派遣部隊はまさにここにいる。Fence

Gate 戦争により引き裂かれたこちら側と向こう側には、親戚同士が引き裂かれており、かつては毎日、シリア側と占領地側で拡声器を使い、相互に呼びかけあっていた。現在では、2月17日に象徴的に拡声器を使った呼びかけが行われるだけで、通常のやり取りはメールやチャットだそうだ。

マジュダル・シャムスのように今もイスラエル側に占領されている地域は小さくはないが、シリア側クネイトラ近郊で、イスラエルに占領されている街に嫁を嫁がせた家族に会った。「?」と思われる方も少なくはないであろうが、シリアは占領地出身者をシリアの大学に受け入れており、シリア人というアイデンティティを捨てていない彼らは、ヨルダン経由でシリアに赴き、シリアの大学で勉強するのである。このようにしてダマスカス大学で知り合ったシリア側の女性と占領地側の男性は恋に落ち、結婚して占領地に居住したのだという。家族は一年に一回、ヨルダンで落ち合い、再会を懐かしむ。

彼女の母親は言う。

「歩いて行けば30分なのに、会うためには隣国に出なければならない。私たちの権利の返還は、娘を私たちに返してくれるはずだ。」

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