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あるイラク難民の帰国

15日に、翌日にイラクに帰る難民の家で食事をしました。

アブー・アフマド一家で、バグダードのアーザミーヤ出身のスンニー派です。イラクから4年前に出国した主たる理由は、仕事もなく、安全でないこと。帰国する理由も経済問題で、シリアで職を見つけることは極めて困難で(公的には禁止されている)、蓄えも底をつき、国連の支援金だけでは家族を養い得ないことから、帰国を決断したそうです。帰国しても、当初イラク政府から支払われた帰国支援金は、今や過去のもので、帰国者の数も一時期より多くはないようです。Abuahmed

最後の晩餐は、家族揃っての鳥鍋で、三人いる娘たちは、「祖国だから帰るのは当たり前、シリアもいいけどイラクのがもっといいはず」と言っていました。すでにイラク訛りは抜け、シリア弁で話す長男は、「おやじがレストランで働いていたから、おれもレストランで働く」と意気込んでいました。

翌16日、出発するバスを見送りました。バスは満杯で、大きな荷物とともに帰国します。バス代金は一人1200シリア・ポンドで、石油価格の高騰とともに、価格は約4倍に跳ね上がりました。シリアに住むイラク人運転手によれば、バグダードには民兵がうようよしており、金をせびられるそうです。旅行時間は17時間、三か所で休憩をしながら帰国の途ですが、ほとんどのイラク人はうれしそうというよりは疲れ切っています。

Abuahmed3 Bus

イラクに帰国する人々の思いは様々ですが、帰国が彼らの望みをかなえるのではなく、帰国こそ苦難の再開です。アブー・アフマドの一家が、再びアーザミーヤでレストランを開くときには、必ず立ち寄りたいと思っています。

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