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アラブの名前

新聞や雑誌に原稿を書くとき、「すみません、サッダームの綴りですが、本誌ではかねがねサダムとしていますので、統一させてください」と連絡をいただくことがある。最近では議論するのも辟易し、「はい、どうぞ」になっている。

しかし、テレビではやはりアラブ人が聞いてわからない発音は意味がないと考え、かねてからサッダームはサッダーム、サマーワはサマーワ、イスラームはイスラームで通している。

新聞や雑誌はなるべく短く表記して多くの情報を伝えたいのかもしれないが、そもそもブッシュはブシュではないし、ハンバーガーはハンバガではないだろう。前述のとおり、アラブの名前については、あまり抵抗していないが、二つだけは通させていただいている。

一つは研究者としてのプライドがかかっているもの。たとえばそれはイスラームで、これをイスラムとすると、やはり研究者としての常識を疑われると考えている。

二つ目は、アラブ人が聞いて完全に誤解するもの。たとえば、バース党と直される時は、「バアス」ですと抵抗している。アラビア語でバースとやると、乗り物のバスになってしまうから。

フセイン大統領もなるべく避けて、個人名のサッダームにしていたら、先日、ブログでこの件を取り上げられておられた方がいた。よく調べておられて、感心した。

      ↓

http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/3111825a91942c7962a994e1a3633729

ところで、イラクの地方行政単位もわかりやすくするために、私の場合、「県」にしている。他の雑誌などは「州」を使っているものも多いようだが、やはり違和感がある。かつてオスマーン・トルコの時代に、現在のイラクの17の県はより大きな行政単位に分けられており、そこでは「州」が使われ、モースル州、バグダード州、バスラ州になっていた。現在でもバスラ県が存在するが、もしもバスラに州を使うと、かつての行政単位と混同されるのではないかと危惧してしまう。

そもそも中東に対しては、多くの誤解と偏見が存在する。可能な中で我々のような伝える側が、細かい話でも気をつけていかなければと考えている。

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