« 独裁者の下で:ラマダーン元副大統領死刑確定 | トップページ | ラマダーン元副大統領処刑 »

再び、特措法延長問題

航空自衛隊派遣の根拠となる特措法の延長に対する見解は、すでにhttp://tikrit.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_1e4e.htmlに発表した通りである。現在でも政府は2年間の延長と、前回と同様、特措法に基づく基本計画の6か月ごとの更新という方針堅持のようで、党内の根回しを行っているようだ。

この一カ月の間に、イラクに部隊を派遣している英国軍が段階的兵力削減を発表し、デンマークが部隊撤退を発表した。両国はアフガニスタンへの増派を表明して、両国政府は否定しているものの、「バーター」の形を取ることになった。さらに、ルーマニアが年内の兵力削減を発表し、リトアニアが真剣に撤退を検討していると表明した。両国ともに、相当前の発表を行う形だ。

これらの経緯を見ると、出口戦略、撤退のハードルは高い。特に、現在軍隊を派遣する国にとり、米国との関係は重要であるようだ。

さて、振り返って、特措法延長に際して、日本政府はいかに撤退戦略を考えているのだろうか。日米関係が重要なことは当然でも、いつの日か航空自衛隊を撤退させるとすれば、それはどのようなシナリオになるのであろうか。それとも、米軍撤退時まで派遣を継続するのであろうか。特措法が延長されれば、撤退表明即撤退を早期に実施することは難しそうだが、あるいは事態がより悪化して逃げ帰るまで、派遣を継続するのであろうか。
さらに日本政府は、国連等に対し物資を供給するために重要なミッションを担っていることを強調しているが、そうであれば、米軍が撤退した後までも、ニーズがあれば派遣を継続することになるのだろうか。

イラクの状況が早期に改善されるシナリオよりも、中期的に悪化が継続するシナリオの方が可能性が高そうである。また来年には米国の選挙イヤーが開始され、対イラク政策が選挙の焦点の一つになりそうなことに鑑みれば、日本の撤退は政治的により困難になるかもしれない。あるいは、イラクの状況にかかわらず、米国は「ミッション・コンプリート」を強調して、腰が引けた状況になる可能性もある。国連への貢献を強調する日本はその時、どういう対処をするのであろうか。

ここはやはり、特措法の期限切れをもって、撤退が最善ではないか。日本の対イラク支援のブログで書いたように、日本は対イラク支援のあり方を再検討する時期に来ているように思われるところ、政府は、現在の対イラク政策を根本的に議論すべきではないだろうか。国民の血税を効果的に使用し、派遣される自衛隊がより意義のあるミッションを行うためにも、公明党は本件に関して、与党内の足並みを乱す勇断ができないだろうか。それも不可能ならば、民主党はこの問題を争点に国民に対し、説得力のある訴えをできないだろうか。

政治的決断が迫られているように思われてならない。

|

« 独裁者の下で:ラマダーン元副大統領死刑確定 | トップページ | ラマダーン元副大統領処刑 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179068/14306346

この記事へのトラックバック一覧です: 再び、特措法延長問題:

« 独裁者の下で:ラマダーン元副大統領死刑確定 | トップページ | ラマダーン元副大統領処刑 »