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新たな手口

すでにイラクの治安状況については、(http://homepage2.nifty.com/saddamwho/HP/__HPB_Recycled/ssmay.pdf)でご紹介したとおり、仕掛け爆弾(IED)による被害が多数になっています。

ザルカーウィ殺害以降、ムジャヒディーン諮問評議会およびイラクのカーイダがどのような動きをしてくるのか、さまざまな憶測が飛び交ってきました。そのような中で、イラクのカーイダ新指導部が犯行声明を発出した米兵2名の拉致殺害事件が発生しました。

彼らは拷問を受けた上で殺害されたとのことでしたが、米軍の発表によれば、殺害された遺体は、罠を構成していたとのことでした。つまり、二体の遺体にたどり着くまでには、3箇所に爆弾が仕掛けられ、遺体の足にはブービー・トラップが取り付けられて、遺体回収にくるであろう米兵を標的にする仕掛けになっていたのです。

発見された場所は、ユーセフィーヤの北側で、夜に発見された遺体に夜間に接近することができず、翌朝、遺体は回収されたとのことでした。

この事件は、いかにイラクの状況が陰惨化しているかを示しています。カーイダは、一時期一部のイラク大衆が期待を寄せる組織であったとしても、現在では、政府の力の伸張も手伝って、イラク国民の多くから忌み嫌われていると思われます。発見された遺体の周りの罠を知らせたのは、地元住民であったそうです。

その一方で、米軍が大規模な掃討作戦の指揮を取っているラマーディやバグダードのみならず、バグダード近郊においても米兵が実質的な治安権限を行使し、発見された米兵の遺体回収にもっぱら従事している様子がわかります。米軍とカーイダは、いずれもイラク人の恨みを買ってきましたが、現在ではカーイダの方が忌み嫌われていると思われるものの、米軍があまりに前に出すぎると共に、また拷問・虐殺事件等が発生すると、米国にとり好ましくない状況がまた現れるかもしれませんね。

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小泉外交

今日(18日)、京都大学の中西先生と同志社大学の村田先生と共に、都内の砂防会館において日本外交に関するパネルを行いました。

両先生の評価は、小泉外交は及第点なるも、「優」ではなかったとのものだったでしょうか。

中西先生は、北朝鮮および靖国問題に関する小泉外交の失敗、そして東南アジアとの経済的協調関係の重要性を指摘されておられました。村田先生は、小泉総理の説明責任の放棄を指摘されると同時に、ブッシュ大統領との良好な個人的関係を築いたことを評価されておられましたが、この関係は個人的なものであり、これを相続するためには、個人資産の相続なので、多額の相続税を差し引いた形でしか次期総裁には引き継がれないと、ユニークな説明をされておられました。

中西先生が小泉外交は制度や戦略に欠けていたとの指摘をされておられましたが、小生も同感で、冷戦以降の日本の外交戦略を樹立することは、5年の長期政権を全うしつつある小泉政権が行うべき仕事であったはずであるのに、冷戦後の変化に日本外交が対応できなかった責任は重いと述べました。ポスト冷戦はソ連の崩壊に伴う唯一の超大国米国の出現を意味しており、米国との関係がどの国にとっても重要になったことは当然で、日米同盟は重要である一方で、東側が消えたわけですから、米国を西側のボスとしていだく必要も消えたとの認識を述べました。その上で、欧州モデルと中東モデルを提示しました。欧州においては、冷戦後、米国の立場は低下し、域内協調関係が強まりました。その一方で、ソ連と牽制し合って影響力の行使ができなかった中東においては、米国の価値観を受け入れるか否かが突きつけられ、時には赤裸々な暴力の行使が見られました。翻って、アジアにおいては、いずれのモデルが適用されるかについて、日本の政策はどちらを向いていたのかがまったく解らないと指摘したのです。

また、村田先生は、米国政府と宗教との関係がやっと認識されたものの、原理的な宗教観で米国政治をもっぱら説明したり、仏教は寛容で一神教は排他的との偏見ですべてを理解する傾向を批判されておられました。この指摘はまったく同感で、テロをイスラームに帰したり、中東で起こっていることを「宗教戦争」と捉えると、大きな過ちを犯すと指摘しました。文明の対立と捉えた時点で、それは救いようのない混乱へと投げ込まれると思います。米国の原理主義とイスラームなり、旧東側社会なりの原理主義の対立の構図が出来上がれば、それはとめどない衝突しか見えないのではないのでしょうか。

限られた時間ゆえ、議論は中途半端に終わりましたが、久しぶりに愉しいパネルでした。中西先生、村田先生、ありがとうございました。

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ザルカーウィ殺害

ザルカーウィ殺害に関するコメントをアップしました。ご参考まで。

http://homepage2.nifty.com/saddamwho/HP/killzarqawi.html

HPでも一部触れていますが、結局、このザルカーウィ、正体は良くわからなかった印象が強い男でした。

実在はしたのでしょうが、ザルカ生まれの彼は、殺された彼だったのか?そもそも、イスラームが禁じている刺青で人定が行われたという報道は、不思議です。ヨルダンで収監されたときにいれられたことを意味しているのか?それともやはりイスラームが禁じている金のネックレスと共に、単にザルカーウィを侮辱したいのか?

ザルカーウィの特徴やイメージの中には、まったく矛盾するものが共存するのはなぜなのか?

国防省の「陰謀」かどうかは別としても、彼のイメージはやはり誇張されて一人歩きしていたのか?

密告者は断定されていませんが、これは、何を意味しているのか?一部の噂では、国防相人事に行き詰ったマーリキー首相が、スンニー派の部族との間で、ザルカーウィの情報と引き換えに、国防相ポストと2500人の収監者解放を「取引」したとの説もあります。はたして?

よくわからないままに死んでしまいましたね。

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民間人虐殺事件

米軍のイラクにおける評判は、かねてよりよくないが、ハディーサ並びにイスハーキーにおける民間人虐殺疑惑は、きわめて深刻なものになりかねない。Move1

米軍の評判だけで済めばよいが、今後の米軍の中東におけるプレゼンスやイラク政府に対する国民の信頼、テロリストを正当化する可能性など、問題は大きいように思われる。

本件に関する詳細を小生のHPにアップしましたので、ご参照ください。

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イラクの治安状況

イラクの治安は、戦後のイラク状況を語る上で避けることができない重要なサブジェクトである。

イラクにおける治安の悪化は継続しているが、イラクの新聞とAP通信社は、最近、イラクの治安に関する統計データを発表した。最近のイラクの治安状況を示すものとして興味深いので、取り纏めの上、ご紹介したい。

詳しくは、下のページへ。

http://homepage2.nifty.com/saddamwho/HP/archive.html

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